ある若者の「冒険」への小さな不安と大きな期待

執筆者:梅田望夫 2006年10月号
カテゴリ: IT・メディア

「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)最大手のミクシィと検索サービスのはてな。共に三十歳の社長に率いられ、新世代ネット企業の代表格と目される二社が最近、対照的な道を選んだ。ミクシィは九月十四日に東証マザーズに上場する。(中略)収益性はすでに高く、上場時の時価総額は一千億円を超すとの見方がある。(中略)一方、この七月に創業五周年を迎えたはてな。近藤淳也社長は『上場よりもグローバル企業への脱皮を優先したい』と、今月自ら米シリコンバレーに引っ越して英語圏向け事業を始めることにした」(日本経済新聞八月二十一日朝刊「経営の視点・台頭する新世代ネット企業」)(株)はてなの経営に取締役として参画してから一年半が過ぎた。その間、常識にとらわれない考え方をする近藤から、私は刺激を受け続けてきた。この新聞記事を例にとれば、創業から五年、せっかく日本での事業が軌道に乗ったのだから、その強化・発展に専心し、ミクシィのように日本での上場を目指すのが、ベンチャー経営の常識であろう。「グローバル企業への脱皮」がしたければ、そのあとで考えるのが普通だ。 昨年七月十八日、社内ブログで近藤は突然こう書いた。「スター・ウォーズIIIを見て、こんなところでぬくぬくと暮らしていたらいけないな、若いうちにもっと困難に立ち向かわないといけないな、と思いました。ということで、今後のはてなと近藤の行動プランを考えてみました」

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執筆者プロフィール
梅田望夫 1960年東京都生れ。94年渡米、97年コンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを起業。著書に『ウェブ進化論』(ちくま新書)、『ウェブ時代をゆく』(同)、『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋)、『ウェブ人間論』(共著、新潮新書)など。メジャーリーグの野球、そして将棋の熱烈なファン。
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