社保庁職員が享受する「勤労の治外法権」

執筆者:本多彰一 2006年10月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

いずれ「ねんきん事業機構」になったとて、何も変わるはずがない。新首相よ、いまからでも解体に進め。 村瀬清司社会保険庁長官は八月二十八日、国民年金保険料の納付率を上げるための不正行為に関わった職員千七百五十二人の処分を発表した。社保庁の職員は地方の出先機関を合わせると約二万八千人。総数の六%を超える職員が一挙に処分されたのだから驚くべき事態、と言いたくなるが、この役所に限っては、もはや誰も驚かない。何しろ、わずか八カ月前の昨年十二月二十七日、タレントや国会議員などの年金データを業務外で閲覧、つまり面白半分で覗き見たとして、三千二百七十三人が処分されたばかりなのだ。 今回の処分を発表した記者会見の席上、村瀬長官は「職員の意識改革が必要だ」と繰り返した。しかし、長官は八カ月前にも同じセリフを口にしている。保険料徴収の不正であれ、データの覗き見であれ、いずれも公務員が守るべきルールを著しく逸脱している。どうやら、この役所の職員たちは、「ルールを守る」というごく当たり前のことが、意識を改革しないとできない人々らしい。仕事をしなくていい組織 社会保険庁は、厚生労働省の外局で、その名が示す通り、社会保険料を集めるのが仕事。社会保険には医療、年金、介護、雇用、労災と五分野あり、社保庁は医療保険のうち中小企業の従業員が加入する政府管掌健康保険(加入者約三千五百万人)、年金はサラリーマンの厚生年金(同約三千二百万人)、自営業者などの国民年金(同約二千二百万人)を所管している。

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