香港デモ:返還以来最大のクライシスに

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2014年9月30日
エリア: 中国・台湾

 香港トップを選ぶ行政長官選挙の方法をめぐり、デモ隊が香港中心部を占拠している。9月28日には催涙ガスによる排除が行われたが、29日も占拠は続き、アジアの金融センターである香港で機能マヒが起きつつある。人民解放軍の投入もしきりに噂されるなか、香港の情勢は緊張の度合いを増している。

 

「親中派」しか選べない改革案

 これまでの経緯と背景については、今月、本サイトの記事「強まる『反中愛港』:香港は『台湾化』に向かうのか」(2014年9月8日)で詳しく書いているので、参照していただけると有り難い。一言でいえば、民主選挙を導入するはずだった2017年の行政長官選挙について、香港の「高度な自治」を否定するような、自動的に民主派を排除する選挙方式が中国から示され、香港人は怒っているのである。

 この状況を、香港のあるコラムニストはこんな比喩を使って言い表していた。分かりやすかったので紹介したい。

 「ランチで3つのメニューが示されました。『牛肉卵あえ御飯』と『卵かけ牛肉御飯』と『牛玉御飯』です。一見、選択できるように見えますが、あなたが口にするものは必ず、牛肉と卵がライスの上に乗った食事になります」

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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