レバノン危機は中東をどう変えたのか

執筆者:畑中美樹 2006年10月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東

当事者のイスラエルとヒズボラだけでなく、親米アラブ穏健派諸国からトルコ、シリアまで、関係諸国はみな立場の変化に直面した。[ドバイ発]国連安全保障理事会が、イスラエルとヒズボラ(レバノンを中心に活動するシーア派軍事・政治組織)に対する停戦決議を全会一致で採択してから一カ月。イスラエルがレバノンの空域・海域封鎖を二カ月ぶりに解除するなど、レバノン危機はいちおう収束の方向に向かいつつある。 しかし、実態は脆弱な停戦である。レバノンを舞台にした大規模な戦闘こそ止んでいるものの、ヒズボラの武装解除の目途は立っておらず、依然、重苦しい雲が中東地域を覆っている。 ヒズボラの指導者ナスララ師は八月十二日夕刻、同組織の運営するテレビ「アル・マナール」を通じて「レバノン、イスラエル両政府が(停戦に)合意するならば従う」との声明を発表した。レバノンの消息筋は、ナスララ師は停戦決議を受諾するに際しシニオラ・レバノン首相に次の三点を通知したとしている。(1)レバノン南部に展開するヒズボラ民兵は武器類の保有を(他者から)認識されないようにする(2)レバノン政府軍・国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のレバノン南部への展開は、彼らが南部の管理者はヒズボラであることを理解することを前提とする

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執筆者プロフィール
畑中美樹 1950年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業。富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所、国際開発センター エネルギー・環境室長などを経て現職。中東・北アフリカ地域で豊富な人的ネットワークを有する。著書に『石油地政学――中東とアメリカ』(中公新書ラクレ)、『オイルマネー』(講談社現代新書)、『中東湾岸ビジネス最新事情』(同友館)などがある。
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