「市民ボランティア」と「政治の現実」の狭間で苦慮するジョコウィ新大統領

執筆者:川村晃一 2014年10月6日
タグ: インド
エリア: アジア

 7月の選挙で勝利したジョコ・ウィドド(通称、ジョコウィ)が第7代インドネシア共和国大統領に就任する10月20日まで、1カ月を切った。現在、新政権発足に向けた組閣作業が急ピッチで続けられている。

 ジョコウィの勝利は、エリート層出身でない庶民派大統領が誕生したという点で、インドネシア政治史の画期をなすものであった。それに加えて、ジョコウィの勝利を支えたのが既存の政党組織ではなく、一般市民が自発的に参加したボランティア組織だったことは、インドネシアの民主主義が深化しつつあることを示す象徴的な現象であった。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
川村晃一(かわむらこういち) 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 海外調査員(インドネシア・ジャカルタ)。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。2024年からインドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)客員研究員。主な著作に、『教養の東南アジア現代史』(ミネルヴァ書房、共編著)、『2019年インドネシアの選挙-深まる社会の分断とジョコウィの再選』(アジア経済研究所、編著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
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