「日本版NSC創設」を成功させるための提言

執筆者:マイケル・グリーン 2006年11月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米 日本

[ワシントン発]新内閣を組織した安倍晋三新首相は、すばやく国家安全保障会議創設構想を打ち出し、十月三日には、スティーブン・ハドリー米国家安全保障問題担当大統領補佐官との会合のため、小池百合子国家安全保障問題担当首相補佐官をワシントンに派遣した。並行して、塩崎恭久官房長官に会議の陣容を検討するよう命じている。北朝鮮が核実験を強行した現実に照らすと、これはまさに時宜を得た判断である。 北朝鮮による核実験は、長期的視野に立つ国家戦略の策定と、目の前の危機対処という、すべての指導者が直面する、時に相反する二つの課題の難しさを示す典型的な例だ。だが、「危機」という漢字が示すとおり、危機には戦略を押し進める「機会」がある。 とはいえ、この二つの機能を同時に、十分に果たす首相スタッフを組織するのは容易なことではない。どうしても政治家や官僚は「アクション」のあるところ、すなわち目先の危機に心を奪われがちだ。だが、真に国益を考えるならば、長期的視野に立つ戦略を慎重に練り上げることが重要だ。 アメリカで、国家安全保障法により国家安全保障会議(NSC)が創設されたのは、戦後間もない一九四七年のことだった。あまり知られていないが、創設を発案したのはジェームズ・フォレスタル海軍長官で、その目的は閣僚が大統領に対して意見具申する場を設けることだった。というのも、第二次世界大戦中、フランクリン・ルーズベルト大統領はおよそ相談というものを閣僚たちとしなかったからだ。

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執筆者プロフィール
マイケル・グリーン 1961年生れ。フルブライト留学生として東京大学大学院に留学。国会議員秘書や新聞記者などで5年間の滞日経験をもち、日本語に堪能。ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)より博士号取得。2001年、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)入りし、04年から05年まで上級アジア部長。06年初めよりCSIS日本部長とジョージタウン大学教授を兼務している。
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