パキスタンが釈放したテロ容疑者らに「旅費」を渡す“福祉団体”の実態は

2006年11月号
カテゴリ: 国際

 パキスタンが、アフガニスタンのタリバンおよびテロ組織アル・カエダと関係があるとして二〇〇一年来拘束してきたテロ容疑者すべてを釈放していたことがわかり、アメリカの対テロ戦争に打撃を与えている。 二〇〇一年秋以降、パキスタンが拘束してきたタリバンおよびアル・カエダ関係者は数千人にのぼる。だが、五年を経てもパキスタンとアフガニスタンの国境地域で活動を続けるテロ組織の撲滅にはほど遠く、パキスタン国内の治安を維持できないため、ムシャラフ政権は土地を事実上割譲し、容疑者たちを釈放することにした模様だ。 パキスタンの法曹関係者によると、パキスタン政府は「過去五年間にタリバンおよびアル・カエダと関係したとして拘束されてきた二千五百人の外国人を釈放した」という。その中には、米『ウォールストリート・ジャーナル』紙のダニエル・パール記者殺害に関与したとして逮捕された男らも含まれている。 釈放された外国人に「旅費」として金を渡しているのは、「アル・ヒドマト財団」という団体で、パキスタン・メディアは「イスラム過激政党ジャマート・イ・イスラミが運営する福祉団体」としているが、実態は、オサマ・ビン・ラディンの師であるアブドゥラ・アザムが一九八〇年に創設した「マクタブ・アル・ヒドマト」を指し、世界各地でイスラム過激派としてジハード(聖戦)を遂行するアラブ志願兵の支援団体だ。設立当初からビン・ラディンも資金を出していたこの団体から、まさにアル・カエダが生まれたのである。

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