「アラブの目覚め」の行方:元駐サウジ米大使に聞く中東情勢

武内宏樹
執筆者:武内宏樹 2014年10月19日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中東 北米

 筆者は幼少期をペルシア湾岸に位置するサウジアラビアのダハランで過ごした経験を持つ。短い期間であったが、以来サウジアラビアには特別な思いを抱いている。そのため、2008年にサザンメソジスト大学に職を得て以来、本大学タワーセンター政治学研究所上級研究員を務めているロバート・ジョーダン元駐サウジアラビア大使と知己を得たことは望外の喜びである。

 ジョーダン氏は、中東ビジネス専門の弁護士であるが、2001年の9.11テロの直後に民間登用で駐サウジアラビア大使に任命されたことからもわかるように、ジョージ・W・ブッシュ大統領の信頼の厚かった人である。テキサスを代表する法律事務所であるベーカー・ボッツに所属し、事務所創業者のジェームズ・アディソン・ベーカー氏の孫にあたるジェームズ・ベーカー元国務長官に対する中東問題の指南役でもある。

 これまでも中東情勢について事あるごとに多くの知見を得てきたが、先月17日にタワーセンターでインタビューをする機会があったので、ジョーダン氏との議論に基づいて、混迷を深める中東情勢を考察してみたい。

 

オバマ演説に対する評価

 インタビューを行ったのが9月10日のオバマ演説の1週間後だったので、演説への評価を聞いてみた。ジョーダン氏によれば、「予想の範囲内」であるが、「野心的な(ambitious)アジェンダをどう実行していくかがカギになる」という答えであった。

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執筆者プロフィール
武内宏樹
武内宏樹 サザンメソジスト大学(SMU)政治学部准教授、同大学タワーセンター政治学研究所サン・アンド・スター日本・東アジアプログラム部長。1973年生れ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士課程修了、博士(政治学)。UCLA 政治学部講師、スタンフォード大学公共政策プログラム講師を経て、2008年よりSMUアシスタント・プロフェッサーを務め、2014年より現職。著書に『党国体制の現在―変容する社会と中国共産党の適応』(共編著、慶應義塾大学出版会、2012年)、Tax Reform in Rural China: Revenue, Resistance, Authoritarian Rule (ケンブリッジ大学出版会、2014年)。ほかに、International Relations of the Asia-Pacific、Japanese Journal of Political Science、Journal of Chinese Political Science、Journal of Contemporary China、Journal of East Asian Studies、Modern Chinaなどに英語論文を掲載。専門は、中国政治、日本政治、東アジアの国際関係及び政治経済学。
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