インテリジェンス・ナウ
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拉致調査は「1年」と最初に言ったのは官房長官だった

春名幹男
執筆者:春名幹男 2014年10月21日
エリア: 朝鮮半島

「夏の終わりから秋の初め」に最初の報告、とされていた北朝鮮による拉致被害者再調査。ところが9月に入って北朝鮮側は、調査は「1年程度が目標」と伝えてきた。

 ならば、再調査の現状はどうなっているのか。政府は北朝鮮側の報告を受けるため、代表団を10月中に平壌に派遣することを決めた。拉致被害者家族会はこれに反対していたことから、成果がなければ、安倍政権と外務省は重大な試練に立たされることになった。

 伊原純一アジア大洋州局長を代表とする代表団は果たして、行方不明者も含めた拉致問題の解決に向けて前進できるのかどうか。

 不透明な現在の状況を読み解くために、インテリジェンス的に事態の推移をしっかりと整理しておきたい。

 

日朝極秘接触で暗転

 今回最初に大きい動きがあったのは、今年5月26-28日スウェーデンの首都ストックホルムで行われた外務省局長級協議だった。翌29日、報告を受けて記者会見した菅義偉官房長官は、北朝鮮側が拉致被害者を含むすべての日本人に関する包括的、全面的な調査実施を約束した、と発表した。

 7月1日、北京で局長級協議。拉致再調査に関する最初の結果報告は「夏の終わりから秋の初め」とすることで合意。北朝鮮は拉致再調査に関する特別調査委員会を設置したので、日本は制裁を一部解除した。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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