堕ちゆく世界の迷走
堕ちゆく世界の迷走(50)

「重箱の隅スキャンダル」の陰で進行する「本当の危機」

 宮沢洋一経産相と上川陽子法相で仕切り直しを狙うが……(C)時事
宮沢洋一経産相と上川陽子法相で仕切り直しを狙うが……(C)時事

 内閣改造で政治的資本を高めたはずの安倍晋三政権が窮地に立たされている。小渕優子経産相と松島みどり法相の辞任を機に、野党民主党は大臣の首をとる路線をひた走る。アベノミクスの副作用を言い募る声も高まってきた。第1次安倍政権に舞い戻ったような光景が繰り広げられようとしている。

 

思い出したくない過去

 当時の安倍政権が進退窮まったのは、閣僚の辞任ドミノによる。佐田玄一郎行革担当相(辞任)、松岡利勝農水相(自殺)、赤城徳彦農水相(辞任)が事務所経費で追及の矢面に立たされた。「なんとか還元水」という苦しい言い訳に二転三転する姿や、大きなバンソウコウを貼った大臣の顔が、安倍政権の失速を招いた。

 折しも社会保険庁によるずさんな事務管理によって生じた「消えた年金」問題も加わり、2007年7月の参院選で自民党が大敗。同年9月には腹痛で首相自身が退陣せざるを得なかった。この年こそは本格的な悪夢の入口だった。衆参両院のねじれによる「決められない政治」が出現し、「政権交代」の呪文がメディアを覆い尽くした。

 民主党政権の3年余りは、政権交代による改革を唱えた学者や文化人にとっても思い出したくない過去だろう。一時流行った「リフォーム詐欺」のようなものだから。リフォームとはいうまでもなく、水割りした左翼的な「改革」のことである。それにしても、悪夢の種をまいたのは第1次安倍政権である。

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