ずれ始めた「偽装請負」批判キャンペーン

執筆者:喜文康隆 2006年11月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

「仕事と人間、機械と人間の対決などというと、なにやらとげとげしいが、両者はこの世で運命をともにする関係にあり、したがってもっともっと寛大に、機知をはたらかして、創造心を伸ばしていきたいものである」(大野耐一『トヨタ生産方式』)     *「偽装請負、初の事業停止『コラボレート』に厚労省命令」 九月三十日付の朝日新聞が一面トップで報じた「コラボレート」処分の記事である。一読して、この記事を正確に理解することは、なかなか難しい。その後、大阪労働局が行政処分を下し、コラボレートが「業務改善に向けて取り組んでいく」というコメントを出すことで、とりあえず落着したが、わかりにくさの原因はこの中途半端な処分にある。 処分の対象となった「偽装請負」とは「実態的には、請負先の工場の責任者の指示や命令を受けて働く派遣労働者を提供しているにもかかわらず、労働者派遣法の規制を受けない『業務請負』の形にしている労働のこと」である。 業務請負が違法性のある偽装請負と認定されるには、顧客である会社の工場責任者が指示・命令を出すことが条件となる。ところが大阪労働局は、一方の当事者である顧客会社の公表を遠慮しているふしがある。

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