進まないリストラとロシアによる株式取得でエアバスはますます迷走

2006年11月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ

 十月十二日、パリで開かれた仏独首脳会談。北朝鮮の核実験問題やイラン、レバノン問題など国際情勢が緊迫するなかで、両首脳がもっとも時間を割いたのは、欧州航空大手エアバスと親会社EADSの経営を巡る問題だった。 エアバスは超大型機「A380」の生産と航空各社への引き渡しが、当初計画よりも二年近く遅れる見通し。これに伴う損失の穴埋めと生産効率の向上をめざして、大規模なリストラを計画している。仏独で工場再編による雇用喪失への懸念が高まり、一気に政治問題化した。 特に、A380の生産の遅れが著しい独ハンブルク工場を一部閉鎖、人員も解雇するとの噂が流れ、独側は警戒感を強めていた。会見で独メルケル首相は「独仏両国が対等な立場で進まなければならない」と強調。シラク仏大統領も「(リストラは)ハンブルクとトゥールーズ(仏本社工場)で調和がとれた内容が望ましい」と応じた。しかし、「バランス重視」の姿勢こそがエアバスの改革を妨げている。 リストラ計画の骨子を作ったのは、今年七月にエアバスの社長兼CEO(最高経営責任者)に就任したクリスチャン・ストレイフ氏。危機回避へ向け年間コストの二十億ユーロ削減や、人件費の三割カットなどを二〇〇八年頃までの目標に掲げた。しかし具体策を巡りEADS、仏独政府の了解を得られず、就任からわずか約三カ月で十月九日に辞任した。

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