「クリーン・インディア」はインドを救えるか

執筆者:緒方麻也 2014年11月10日

 「メーク・イン・インディア(インドでものづくりを)」など、庶民にも分かりやすいスローガンを相次ぎ掲げて経済改革に取り組んでいるインド政府は10月、今度は「スワッチ・バーラト(クリーン・インディア)」と題したキャンペーンを新たにスタートさせた。読んで字のごとく「インドをキレイにしましょう」というわけで、モディ首相ら主要閣僚らが自らホウキを握り、スポーツ選手や映画スターなどのセレブとともに道路を掃き清めるパフォーマンスを繰り広げた。だが、インドの衛生環境を取り巻く問題は極めて複雑かつ深刻であり、のんきにホウキで地面を掃いているだけでは決して解決しない難題なのである。

 「スワッチ・バーラト」は、国父マハトマ・ガンディーの生誕150周年となる2019年までに1.96兆ルピー(約3兆5000億円)を投資し、1億2000万家庭に専用トイレを設置。小中学校のトイレや公衆トイレなどを整備するとともに、衛生に関する啓蒙活動も展開するとしている。

 

6億人に専用トイレを

 春の総選挙で10年ぶりに政権を奪回したインド人民党(BJP)率いる新政府はかねて、「ヒンドゥー寺院よりトイレを」「すべての家庭にトイレを」との公約を掲げてきた。政府がこれほどまでにトイレにこだわる背景にあるのが、インドの公衆衛生にとって著しい脅威となっている「屋外排泄」の恒常化だ。インドでは人口の約48%、およそ6億人が家に専用トイレを持っていない。これが農村ではなんと67%に達する。

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