2014年秋「平壌打令」(3)安倍政権を評価した宋日昊大使

平井久志
執筆者:平井久志 2014年11月13日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 朝鮮半島
 宋日昊大使
宋日昊大使

 10月9日、訪朝3日目です。この日は、午前中は宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使との意見交換でした。こちらからは「日朝交渉担当者」との面談を要請していましたが、当然、宋日昊大使が出て来るだろうと思っていました。

 意見交換は高麗ホテル2階の会議室で2時間余行われました。宋大使が約40分冒頭発言を行い、その後で訪問団10人との質疑応答が行われました。北朝鮮側からは宋大使以外に、北朝鮮外務省でこれまでずっと日本人遺骨や墓参の問題を担当してきた趙炳哲(チョ・ビョンチョル)氏が同席し、対外文化連絡協会(対文協)で私たちの案内員を務めている金さんが通訳をしました。

 読者の方たちの中には宋大使の発言に反発する方もいるかと思いますが、私たちの目的は「彼らが何を考えているか」を探るためでありました。その点をご理解いただければと思います。

 

「5.29合意」と「平壌宣言」の継承と履行

 最初は宋大使の基調発言です。冒頭から「制裁が最もひどい人権蹂躙です。それぞれの国の人民が食べて、着て、(ものを)使ってというのは人間の当然の権利ですが、そこへ制裁を加え、そういう制裁の中でも立ち上がって戦っていることを人権蹂躙とするのは言語道断です。反対勢力がわが国を孤立させようとし、制裁をすればするほど、われわれは奮発し、われわれが選択した道に従って目的を達成する上で大きな勝利を得ることを確信しています。これは、私だけではなくわが人民がみんな思っていることです」と語り、北朝鮮への制裁こそが「人権蹂躙」であるとした上で、それに対する北朝鮮の戦いを強調しました。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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