ロシア経済危機:「制裁」「ルーブル安」「石油安」三重苦の実態

遠藤良介
執筆者:遠藤良介 2014年11月19日
エリア: ロシア

[モスクワ発]店頭の電光掲示板に表示される通貨ルーブルの対ドル・対ユーロ交換レートがころころと変わる。ロシア中央銀行がルーブルの急落に抗しきれず、完全な変動相場制への移行を発表した翌日の11月11日。モスクワ市内の大手銀支店では行列や混乱こそ見られなかったものの、いくつかの店舗では「両替で5000ドル以上が必要な場合には事前に相談してほしい」と説明していた。

 

対ドルで4割下落したルーブル

 ウクライナ情勢をめぐる米欧の対ロシア経済制裁が、住民の間にパニックを起こしているといった実態はない。だが、ルーブルが年初から対ドルで約4割も価値を下げたことに状況の深刻さが表れている。

 中銀はルーブル買い支えの介入に10月だけで300億ドル(約3兆4800億円)を投入。外貨準備高は年初の5096億ドル(約59兆2400億円)から10月末の4286億ドル(約49兆8300億円)まで急減した。11月5日には介入の限度額を1日3億5千万ドル(約407億円)に制限すると発表し、10日には相場変動の許容幅を完全撤廃するところまで追い込まれた。

 市場関係者の間では「完全な変動相場制への移行で投機行動は困難になったものの、ルーブルやロシア経済に対する厳しい評価は変わらない」との見方が多い。

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執筆者プロフィール
遠藤良介
遠藤良介 1973年愛媛県生れ。東京外国語大学外国語学部ロシア・東欧語学科卒。同大学院地域文化研究科博士前期課程修了(国際学修士)。産経新聞社入社。横浜総局、盛岡支局、整理部、外信部を経て2006年12月からモスクワ特派員。共著に「誰がメドべージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交」(産経新聞出版)。
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