米国にとっての「ウクライナ問題」(上)「大戦後最も深刻な国境線変更」

武内宏樹
執筆者:武内宏樹 2014年11月25日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障

 最近は「イラクとシリアのイスラム国」(Islamic State of Iraq and Syria: ISIS) の攻勢やエボラ熱の感染拡大といったニュースに押されて、あまり人々の注目を集めなくなっているが、今年前半の国際政治の重大ニュースといえば、ロシアのクリミア併合であった。「新冷戦か?」という問いに対して、米国でも活発な議論が戦わされてきた。

 筆者が所属するサザンメソジスト大学タワーセンター政治学研究所でも、この問題の地政学的意味を議論してきた。その一環として10月8日に、ロシア・ウクライナ問題の専門家で、ワシントンを拠点に世界の民主主義と政治的自由を監視している非政府機関フリーダムハウスの所長を務めるデビッド・クレーマー氏を迎えて、「新冷戦? ロシア、米国とウクライナの意味」(A New Cold War? Russia, the U.S., and the Meaning of Ukraine)と題したシンポジウムが行われ、氏にインタビューをする機会を得た。クレーマー氏の講演及び筆者の氏へのインタビューを踏まえて、「ウクライナ」、「ロシア」を米国の地政学戦略にどう位置づけるかという問題について2回にわたって論じてみたい。

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執筆者プロフィール
武内宏樹
武内宏樹 サザンメソジスト大学(SMU)政治学部准教授、同大学タワーセンター政治学研究所サン・アンド・スター日本・東アジアプログラム部長。1973年生れ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士課程修了、博士(政治学)。UCLA 政治学部講師、スタンフォード大学公共政策プログラム講師を経て、2008年よりSMUアシスタント・プロフェッサーを務め、2014年より現職。著書に『党国体制の現在―変容する社会と中国共産党の適応』(共編著、慶應義塾大学出版会、2012年)、Tax Reform in Rural China: Revenue, Resistance, Authoritarian Rule (ケンブリッジ大学出版会、2014年)。ほかに、International Relations of the Asia-Pacific、Japanese Journal of Political Science、Journal of Chinese Political Science、Journal of Contemporary China、Journal of East Asian Studies、Modern Chinaなどに英語論文を掲載。専門は、中国政治、日本政治、東アジアの国際関係及び政治経済学。
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