インテリジェンス・ナウ
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米政権内タカ派がちらつかせる北朝鮮攻撃計画の中身とゆくえ

春名幹男
執筆者:春名幹男 2006年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米 朝鮮半島

 米国務省で長年、朝鮮半島政策にかかわってきた外交官が「北朝鮮関係の文書の回覧配布先に、『OVP』と指示された文書が多くてね」とぼやいている。 国務省の秘密文書はしばしば、政策調整のため国家安全保障会議(NSC)や国防総省など他省庁にも配布される。かつては副大統領に配布されることなどなかったが、ブッシュ政権になってから、チェイニー副大統領のオフィスを意味する「OVP(オフィス・オブ・バイスプレジデント)」にも回さなければならない文書が増えた。 北朝鮮の核問題や六カ国協議をめぐり、ブッシュ政権内現実派の対応を批判する情報がよく保守メディアなどにリークされる裏に、そんな事情があったのだ。 北朝鮮の核実験から三日後の十月十二日付保守系紙ワシントン・タイムズに掲載された「朝鮮半島危機めぐり情報で失敗」と題した記事からも、ブッシュ政権内タカ派の意図が透けて見える。 この記事はネグロポンテ国家情報長官(DNI)や米中央情報局(CIA)を厳しく批判する内容だった。数カ月前にまとめられた国家情報評価(NIE)などの文書で、十件ほどの「誤りがあった」というのだ。 同紙によると、(1)北朝鮮は核兵器を持っていないのに核実験する計画だとはったりをかけている、と誤った判断をした(2)七月五日の七発の連続ミサイル発射を予測できなかった――などの情報の失敗があり、「ブッシュ政権の対応能力を損ねた」としている。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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