いま「国内回帰」で国際競争力を高める製造業

執筆者:五十嵐卓 2006年12月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

日本各地で工業用地が不足――。生産拠点を日本に戻す企業が増えている。モノづくりのいかなる変化が国内回帰をもたらしているのか。 埼玉県北部の騎西町。緑豊かな丘陵地帯に住宅地と農地、工場が混在する大都市近郊の典型的な風景が続く。三、四年前まで企業進出は止まり、町には停滞感が漂っていた。だが、ここに来て空気は一変した。町内にある騎西藤の台工業団地の大拡張計画が持ち上がっているからだ。 騎西町だけでなく、埼玉県内は今、空前の企業立地ブームに沸いている。埼玉県が昨年一月にスタートさせた「企業誘致大作戦」は予想外の成果をあげ、「二年間で百社」という目標をはるかに上回る百五十社以上の企業進出が、すでにまとまった。二〇〇五年度の県の工業用地販売は過去最大の四十八万平方メートルに達し、〇二年度には百五十三万平方メートルまで積み上がった工業用地の在庫はほぼなくなった。用地不足に慌てた県が騎西町はじめ三カ所で急遽、農地を工業用に転用するなど工場用地の確保に動いている。 大分県日田市。林業で知られるのどかな山村でも工業用地の開発計画が進んでいる。隣接する中津市に〇四年に完成車工場を開業したダイハツ九州が生産ラインを拡張、さらに第二工場も建設しており、部品を供給する関連メーカーの進出計画が急増。中津市だけでなく周辺の宇佐市、日田市などにも工場用地取得の話が持ち込まれているからだ。

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