「海洋強国」を目指す中国を侮るなかれ

執筆者:廣瀬肇 2006年12月号
エリア: アジア

中国海運の急速な発展の裏には国家が意識して強化を進める海洋政策がある。その実態を調べれば調べるほど、わが日本の立ち遅れが気がかりになってくる。 二〇〇四年十一月十日に明らかになった中国原子力潜水艦のわが国領海侵犯事件や東シナ海における資源開発など、昨今、中国の海洋進出の動きが目立っている。しかし、こうした動きがメディアで大きく報じられる一方、その背景にある中国の海洋政策そのものについてはあまり知られていないのが現状だ。 中国は一九七〇年代頃から積極的に海洋に進出してきた。特に八〇年代以降は「領海及び接続水域法」を定めるなど、沿岸域管理を含め海洋管理制度を着実に整えてきている。

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