小さなライバルの攻勢でにわかに業績悪化に陥った半導体の巨人。だがその揺らぎには「内なる要因」も大いにかかわっていた。 米カリフォルニア州のサンフランシスコで、十月二十二日から開かれた「オラクル・オープンワールド」。年に一度だけ開催されるIT(情報技術)業界の一大イベントの売り物は、有力企業トップが次々と登場する基調講演だ。ヒューレット・パッカードのマーク・ハードCEO(最高経営責任者)やサン・マイクロシステムズのジョナサン・シュワルツCEOなど、今年も錚々たるメンバーが顔をそろえた。 中でも、ひときわ聴衆の目を引いた「今年の主役」は、半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)のヘクター・ルイズCEOだろう。世界最大のパソコンメーカー、デルのマイケル・デル会長がゲストとして飛び入り参加し、ルイズ氏と笑顔でがっちり握手を交わしたからだ。これは少し前なら考えられない「異例の組み合わせ」だった。
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