霍英東なき香港で北京とのパイプ争い

樋泉克夫
執筆者:樋泉克夫 2006年12月号
エリア: 中国・台湾

 香港を代表する「親北京」の企業家で全国政治協商会議(政協)副主席の霍英東が、十月二十八日夜、闘病先の北京で死亡した。享年八十三。中国最高の医師団が懸命な治療を続け、胡錦濤、温家宝、曾慶紅、江沢民など新旧首脳陣が次々に病床を見舞い、国営通信の新華社は「中国共産党の親密な友人」と対民間人としては最高級の弔慰を表した。 朝鮮戦争当時、西側の経済制裁で苦境に陥った北京を救ったことで生れた「親密な友人」関係が、北京の香港対策に大いに貢献する一方、企業家としての彼に中国ビジネスという絶好の商機をもたらしたといえる。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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