「非ラムズフェルド的」新国防長官起用の意味

執筆者:ルイーズ・ブランソン 2006年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

ゲイツ新長官は泥沼のイラクからの出口戦略を描けるのか。それともベーカー元国務長官が息子ブッシュをまた救い出すのか――。[ワシントン発]ホワイトハウスでのあのワンシーンが、イラク政策の転換点を象徴していた。十一月八日、民主党が十二年ぶりに上下院多数派を取り戻した中間選挙の翌日のことだ。辞任を余儀なくされたドナルド・ラムズフェルド国防長官は、ブッシュ大統領がその六年間の功績を褒め称える間、視線を落とし、落ち着かない様子を見せた。明らかに意に反した、事実上の解任だった。 口を開いたラムズフェルドは、「イラク戦争の失敗をもたらした張本人」として自らに向けられた非難の嵐に苦々しく言及した。それゆえに中間選挙がイラク戦争の是非をめぐる国民投票となり、それゆえに共和党が敗北した、「イラクでの失敗」である。尊崇するウィンストン・チャーチルを引用しながら、ラムズフェルドは言った。「批判から得ることは多かった。そして、批判が足りないことは一度もなかった」。 すぐさま、人々の関心はブッシュの左隣の男性に移った。後任の国防長官に指名された元CIA(中央情報局)長官ロバート・ゲイツである。傲慢で威張り屋のラムズフェルドの対極(ABCテレビは「非ラムズフェルド的」という表現を使ったほど)とされるゲイツを、ブッシュは「アメリカがイラクでいかに目標を達成するか、新たな視点とアイディアをもたらす」人物だと賞賛した。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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