教訓を忘れた土地バブル「黒い宴」の先の断崖

伊藤博敏
執筆者:伊藤博敏 2006年12月号
カテゴリ: 社会 金融
エリア: 日本

不動産ファンドが大都市の地価を押し上げ、個人は物件購入に走り、地上げ屋も跋扈する。一寸先の断崖に思い致すことなく――。 東京・港区の六本木交差点近くに、周囲の喧騒が信じられないほどの“沈黙”が支配する一帯がある。 円形の中庭を低層のマンションと商業ビルが取り囲み、それぞれが渡り廊下で結ばれた不思議な形状で、入居者はほとんどいない。時折出入りする男たちの雰囲気が、静かな中に緊張感を漂わせている。 五棟の建物を総称して「六本木TSKビル」という。暴力団組織の旧東声会を率いた故・町井久之の牙城。「日本の黒幕」といわれた児玉誉士夫の盟友にして韓国政府に太いパイプを有した町井は、ここを拠点に表裏の勢力に睨みを効かせ、プロレスなど興行の世界でも名を売った。

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執筆者プロフィール
伊藤博敏 ジャーナリスト。1955年、福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒。編集プロダクションを経て独立。とりわけ経済事件の取材に定評があり、数多くの週刊誌、月刊誌、ウェブニュースサイトなどに寄稿。主な著書に『許永中「追跡15年」全データ』(小学館文庫)、『「カネ儲け」至上主義が陥った「罠」』(講談社+α文庫)、『黒幕』(小学館)などがある。
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