談合列島ただいま沈没中 ゼネコンを襲う淘汰の大波

執筆者:杜耕次 2007年1月号
エリア: 日本

「上の指示でやった」 十二月三日、宮崎県発注工事をめぐる官製談合事件で逮捕された県環境森林部長は宮崎県警の取り調べに対し、前知事の安藤忠恕の関与を示唆した。すでに逮捕されていた県土木部次長も「知事から直接頼まれた」と供述。八日、宮崎県警は競売入札妨害容疑で安藤を逮捕した。 十月二十三日に前福島県知事の佐藤栄佐久が、十一月十五日には前和歌山県知事の木村良樹が逮捕され、そして宮崎県。二〇〇六年に入って競売入札妨害容疑や収賄容疑など入札絡みの犯罪で逮捕された全国の自治体の首長は知事三人を含め合計十五人に達する。「史上最大規模の談合」といわれた〇五年の橋梁談合事件(起訴二十六社、排除勧告四十五社、うち二十三社に罰金合計六十四億円、四十四社に課徴金合計百二十九億円)を嚆矢に、〇六年に入って防衛施設庁工事、屎尿汚泥処理施設、トンネル換気設備、水門工事、愛知県瀬戸市の郵便による入札、名古屋市下水道工事など、談合事件摘発に一段と拍車がかかっている。 こうした連鎖的な談合摘発は、しばしば指摘されているように〇六年一月施行の改正独占禁止法が伏線になっている。その骨子は、(1)課徴金引き上げ(六%を一〇%に、再犯の場合は一五%に)、(2)違反行為の自主申告による課徴金減免制度の導入、(3)公正取引委員会への犯則調査権(家宅捜索や証拠差し押さえなどの権利)付与、(4)東京高検に限られていた独禁法違反事件の起訴を全国の地検に拡大、などだが、ここにきて当初はあまり注目されなかった(3)と(4)が効果を発揮している。

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