病気を治すのは「いのちの力」 (4)

患者さんと「ともに生きる」

執筆者:髙本眞一 2014年12月20日
タグ: スペイン 日本
エリア: アジア

 私は昭和48年に東大医学部を卒業後三井記念病院で外科レジデントを終了し、ボストンのマサチューセッツ総合病院で心臓手術中の心筋保護の研究を行い、昭和55年に帰国してから埼玉医大にて心臓血管外科を専門に選びました。その頃の私は、懸命に手術の腕を磨き、新しい手術法の開発にも挑戦し、充実した日々を送っていました。同じ志を持つ仲間と切磋琢磨し、若い医師の充実した教育と患者さんへのよりよい手術治療を目指して心臓血管外科の最前線で活躍できているという喜びを感じ、明るい将来像も思い描いていたように思います。

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執筆者プロフィール
髙本眞一(たかもとしんいち) 1947年兵庫県宝塚市生れ、愛媛県松山市育ち。73年東京大学医学部医学科卒業。78年ハーバード大学医学部、マサチューセッツ総合病院外科研究員、80年埼玉医科大学第1外科講師、87年昭和病院心臓血管外科主任医長、93年国立循環器病センター第2病棟部長、97年東京大学医学部胸部外科教授、98年東京大学大学院医学系研究科心臓外科・呼吸器外科教授、2000年東京大学医学部教務委員長兼任(~2005年)、2009年より三井記念病院院長、東京大学名誉教授に就任し現在に至る。この間、日本胸部外科学会、日本心臓病学会、アジア心臓血管胸部外科学会各会長。アメリカ胸部外科医会(STS)理事、日本心臓血管外科学会理事長、東京都公安委員を歴任。 ↵手術中に超低温下で体部を灌流した酸素飽和度の高い静脈血を脳へ逆行性に自然循環させることで脳の虚血を防ぐ「髙本式逆行性脳灌流法」を開発、弓部大動脈瘤の手術の成功率を飛躍的に向上させたトップクラスの心臓血管外科医。
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