知的生産のプロとしての「サバティカル」の決意

執筆者:梅田望夫 2007年1月号
カテゴリ: IT・メディア

 年の瀬が近くなるといつも、さて「これから」どうしようかなと思う。「これから」には「明日」のことも「来年」のことも「次の十年」のことも「もっと先」のことも含まれる。ただ例年は「思う」だけで、別に何か大切なことを決めるには至らないのだが、この暮れには重要な決心をした。ここで宣言しておこう。「五年以内に十二カ月から十八カ月の『サバティカル』を絶対にとる」「サバティカル」とは「研究のための長期休暇」の意味で、米国の大学などでは、七年に一度など定期的に、教育義務から解放された有給休暇が得られる制度がある。私は組織に属していないので、サバティカル有給休暇を申請する決心をしたという意味ではない。すべての仕事を断わったり中断したりすることで(むろんその間はほぼ無収入になる)、十二カ月から十八カ月の自由な時間を作ろうと決意したということである。サバティカル期間に何をするかは、そのときに何をしたいかで決める。そしてそのあとのことは、サバティカル期間中に何を考えたかによって決めようと思う。「五十歳くらいでアーリー・リタイアメントしたい」という願望が、あるときにふっと消えたという話は、本欄でもしたことがある(拙著『シリコンバレー精神』の「文庫のための長いあとがき」で詳述した)。「では節目なく死ぬまで働き続けるのだろうか」と考えたときにふっと浮かんだ「アーリー・リタイアメントではなくサバティカル」という発想は、我ながらいいアイデアのように思えたのである。

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執筆者プロフィール
梅田望夫 1960年東京都生れ。94年渡米、97年コンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを起業。著書に『ウェブ進化論』(ちくま新書)、『ウェブ時代をゆく』(同)、『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋)、『ウェブ人間論』(共著、新潮新書)など。メジャーリーグの野球、そして将棋の熱烈なファン。
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