饗宴外交の舞台裏 (199)

厳格な宮廷スタイルだった「ノーベル賞晩餐会」

執筆者:西川恵 2014年12月17日
エリア: ヨーロッパ アジア
 中央がグスタフ国王(C)AFP=時事
中央がグスタフ国王(C)AFP=時事
 (クリックすると大きく見えます)
(クリックすると大きく見えます)

 スウェーデンは毎年12月10日、ノーベル賞受賞記念の大晩餐会をもってノーベル賞にかかわる一連の行事を締めくくる。今年の晩餐会もカール16世グスタフ国王(68)とシルビア王妃(70)の臨席の下、市庁舎「青の広間」で1300人が出席して開かれた。日本人受賞者3人も堪能した今年の晩餐会の模様である。

 

シャンパンは経費節減?

 シャンデリアきらめく「青の広間」。真ん中に長く伸びたメインテーブルは25メートル。片側各44人の計88人が、男女交互に座るように配慮されている。テーブル中央に国王と王妃が筋向いに席を占め、その周りに受賞者とその配偶者、王族が固まり、さらにその外側に首相、閣僚、アカデミー関係者が座った。

カテゴリ: 社会 カルチャー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top