「インド・イスラエル関係」緊密化の舞台裏と思惑

執筆者:緒方麻也 2014年12月22日
エリア: 中東 アジア

 前政権が確立した「全方位経済外交」を概ね踏襲しているインドのモディ政権が、イスラエルとの関係を急速に緊密化させている。9月末の国連総会に出席したモディ首相は、滞在先のニューヨークでネタニヤフ・イスラエル首相と会談。11月にはラージナート・シン内相がイスラエルを訪問。年明けの2015年1月にはスワラジ外相のイスラエル訪問が予定されている。

 印・イスラエルの首脳会談は実に11年ぶり。ネタニヤフ首相は経済協力の拡大に同意しつつモディ首相の自国訪問を要請したが、インド首相のイスラエル訪問は過去に例がなく、イスラエルからの訪印も2003年の故シャロン首相(当時)ただ1人。イスラエルを訪れたインド外相ですら、過去には2000年のジャスワント・シン、12年のS・M・クリシュナ両氏しかいない(モディ氏はグジャラート州首相時代の2006年にイスラエルを訪問している)。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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