米国の規制強化で英ブックメーカー頼みのネットギャンブル業界

2007年1月号
エリア: ヨーロッパ

 インターネット上でのギャンブルを運営する「パーティー・ゲーミング」「スポーティング・ベット」「888」など欧米系大手企業が、米国での規制強化を受けて、経営の見直しを迫られている。 各社はネット上で、スポーツの勝敗の賭けやポーカー、カジノなどを手がけ、簡単にギャンブルできることを売り物に急成長してきた。 市場規模は百三十億ドル(一兆五千億円)程度と推定される。最大手のスポーティング・ベットの売上高は約二十億ポンド(約四千四百億円、二〇〇六年七月期)。各国の法に抵触しないよう、カリブ海諸国や英領ジブラルタルなどオフショアに拠点やサーバーを置き、ネットギャンブルが合法な英国のロンドン証券取引所に株式を上場して資金を調達してきた。 そんな成長業種が存続の危機を迎えている。米国では一九六一年の電信法で、電信電話を使った賭け事を禁じているが、議会は十月に規制対象をネットにも広げ、金融機関やカード会社を通じたネットギャンブルの決済を禁じる法案を可決、ブッシュ大統領が署名したからだ。 ネットギャンブルの最大の市場は米国である。前掲の三社とも売上高の五―七割程度を、米国市場が占める。規制強化で事業ができなくなるため、各社とも米国向け事業の閉鎖・売却を迫られた。収益の柱を失ったパーティー・ゲーミングの株価は、〇六年春につけた最高値(一ポンド五十八ペンス)の五分の一の水準、スポーティング・ベットは十分の一以下といった具合に急落した。規制強化の波はドイツなど欧州にも及び、広告も打てなくなっている。

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