「勝ち試合で勝てなかった」馬英九神話の翳り

2007年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

[台北発]「民進党に金銭疑惑が続いていたが、高雄は希望通りにならなかった」。十二月九日夜、台湾・台北市の党本部で記者会見した最大野党・国民党の馬英九主席(台北市長)の口調は重かった。この日行なわれた台北、高雄という二大都市の市長選挙で、国民党は馬主席の後任を選ぶ台北こそ勝利したものの、高雄は得票率で〇・一四%の僅差ながら与党・民進党に敗れてしまった。 台湾政界はこの半年余り、陳水扁総統の身辺で続く不祥事が最大の争点だった。五月に娘婿がインサイダー取引容疑で逮捕され、十一月には夫人が総統府公費の横領容疑で起訴された。国民党ばかりか地元メディアも連日、「陳水扁バッシング」を展開していた。いわば「国民党が二勝して当たり前」の環境下で、民進党に三期連続となる高雄の市長ポストを許したのだ。 馬主席は選挙を「台北の一勝、高雄の一敗で引き分け」と総括したが、国民党内では「勝ち試合で勝てなかった」との不満がくすぶる。馬主席は二〇〇五年七月の党主席選で対抗馬を二倍以上の大差で下して当選。台北と高雄以外の二十三県市長を争った同年十二月の統一地方選では、国民党を十四ポスト獲得の大勝に導いた。民進党内でも「総統選を今やれば、誰も馬英九には勝てない」との声が支配的だった。

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