国際論壇レビュー
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国際秩序に挑む「中国・ロシア」への警戒感

会田弘継
 世界はますますこの2人に警戒感を強めている(C)AFP=時事
世界はますますこの2人に警戒感を強めている(C)AFP=時事

 年の瀬になると、今年の世界はどんなだったのかと、ざっくり考えてみたくなる。英紙というよりグローバル紙と呼ぶのが相応しくなった『フィナンシャル・タイムズ(FT)』で「グローバル政治」を担当するフィリップ・スティーブンスが、それに答えてくれるようなコラムを書いている。題して「今年は豪腕政治指導者の年」。【This is the year of the political strongman, FT, Dec. 4

 ざっと見渡しただけで、中国の習近平国家主席が権力を固めて毛沢東以来最強といわれる指導者になり、ロシアのプーチン大統領はウクライナへと侵攻した。エジプトでは軍最高評議会議長だったシーシ元帥が大統領に就任して再び強権政治が始まり、トルコでは長期にわたり首相を務めたエルドアンが、今度は大統領となって権勢を奮っている。インドではモディ首相が誕生し、日本には安倍首相がいる……。

 スティーブンスは、これら豪腕政治指導者に共通するのは「協力よりも競争を好み、国際主義者(インターナショナリスト)というよりナショナリスト、中国とロシアの場合は臆面もなく新秩序を求めている」と評している。21世紀は欧州共同体のように主権国家を超えてポストモダンの世界に進むかと思ったら、逆に大国のパワーポリティクスに戻ってしまった、というのがスティーブンスの見立てだ。頷かざるを得ないところがある。

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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