インテリジェンス・ナウ
インテリジェンス・ナウ

謎だらけのニヤゾフ大統領「急死」ガス大国トルクメニスタンは誰の手に

春名幹男
執筆者:春名幹男 2007年2月号
カテゴリ: 国際

 昨年末、トルクメニスタンの独裁者ニヤゾフ大統領(六六)が急死した。一時流れた「ロシアの陰謀説」に根拠はないが、「荒唐無稽」と即断できないほど微妙な問題が隠されているようだ。  後継を選ぶ大統領選挙は二月十一日。世界第五位の天然ガス埋蔵量を擁し、戦略的な要衝に位置するこの国の帰趨は、国際情勢に重大な影響を与える。  死因は「急性心不全」と発表された。もともと心臓に問題があり、一九九七年ドイツで心臓バイパス手術を受けている。だが、死の二カ月前は、昨年十月二十四日にドイツ人心臓専門医が率いる七人の医師団が定期検査し、「異常なし」だった。十一月初めドイツのシュタインマイヤー外相、同二十三日日本の斎藤泰雄駐ロシア大使と会談、死の三日前には欧州連合(EU)高官とも会った。健康悪化の情報は伝えられていなかった。  四〇年、首都アシガバートに生まれ、レニングラード工科大を卒業。八五年、旧ソ連トルクメン共和国の共産党第一書記に就任した。九〇年、初の大統領選で当選、九一年独立し「永世中立」を標榜した。自ら「偉大なるトルクメンバシ(トルクメニスタンの首領)」と呼び、自著を通じて個人崇拝を強制、嫌いなバレエや金歯を禁止した。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順