召集当日から「与野党対決色」が鮮明となった米議会

足立正彦
執筆者:足立正彦 2015年1月9日
エリア: 北米

 米議会の新たな会期である第114議会(2015年1月~17年1月)が1月6日に召集された。昨年の中間選挙での歴史的勝利を反映して8年ぶりに上院も共和党が多数党に復帰し、オバマ政権と対峙していく構図となった。こうした行政府と立法府で支配する政党が異なる「分断政治(Divided Government)」の状況下では、オバマ民主党政権と議会共和党とがお互いに妥協点を見出しつつ、具体的成果を求めて協調を図る状況が一定期間続くのではないかとの期待も一部ではあった。ところが、第114議会が召集された当日、従来までの与野党対決が今後も引き続き展開される可能性が極めて高いことが明らかになった。

 

猛反発する民主党

 まず共和党が召集当日から最優先法案として取り上げたのは、カナダのパイプライン大手『トランスカナダ』社が建設認可を申請している「キーストーンXL(KXL)パイプライン」の建設承認法案だった。これは、カナダアルバータ州のオイルサンド採掘地から米国メキシコ湾岸の精製施設まで、日量最大83万バレルの原油を輸送することになる全長1179マイルのパイプライン建設計画だ。

 共和党指導部は、下院では1月9日の本会議で同法案の票決を行い、上院でも1月12日の週の前半にも本会議で票決を行うつもりで、無論、賛成多数で可決する見通しである。そもそも共和党は、下院では第113議会(2013年1月~15年1月)でも多数党だったため、総額80億ドルのKXLパイプラインの建設承認法案を過去9度も成立させていた。加えて、先の中間選挙では86年ぶりとなる247議席を獲得(1月5日に1人辞職したため、現在は246議席)しているため、下院本会議での同法案の成立は容易と見られている。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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