“先行者に並んだら一気に抜け”がマラソンや駅伝の鉄則。だが、自動車産業はそうはいかない。トヨタは“穏便に”世界一を目指す。 トップスピードで走り続け、「世界一」の座をほぼ手中に収めたトヨタ自動車が突如、アクセルを緩めた。 昨年十二月二十二日に年末会見で発表した二〇〇七年のグループ(ダイハツ工業と日野自動車を含む)の世界生産計画は、前年比三十八万台増の九百四十二万台。世界首位の米ゼネラル・モーターズ(GM)の前年実績見込み(約九百十八万台)を初めて上回り、達成すれば世界一へと躍り出る。ただ、ここ数年続いた五十万―七十万台増という生産拡大のペースからすれば「やや控え目」な増産計画という印象は拭えなかった。
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