ひそやかに進む村上ファンド「店じまい」の内情

執筆者:村山敦 2007年2月号
カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
エリア: 日本

「また、いつか一緒に仕事がしたいな」。めっきり冷えこんだ東京の繁華街。一年をふり返り笑い声も聞こえる飲食店の一隅に、酒を酌み交わしながら、しんみりと話しこむ男たちの姿があった。 久しぶりに集まり、互いに励ましあって別れた彼らは、M&Aコンサルティング(通称「村上ファンド」)の幹部たち。昨年六月に元代表の村上世彰がインサイダー取引容疑で逮捕・起訴されて以降、村上ファンドには農林中央金庫やウシオ電機、オリックスなど解約を申し入れる投資家が相次いだ。規模縮小に歯止めをかけられなくなったファンドは早晩解散する。 村上ファンドは主の逮捕以降、新たな企業の株式を購入していない。いま行なっている「業務」はファンド解散のための残務整理、つまり保有株式の売却と、それを「元手」にした投資家への出資金の返還だ。 解散業務は、村上の後を継いで代表となった丸木強が中心となって進めている。とはいえ、すでにファンドの事務所はない。登記上の住所は六本木ヒルズのままだが、実際には昨年十一月にオフィスをたたんでおり、ファンドは休眠会社となっている。そもそも、村上がファンドを設立した時、その「器」として使ったのは休眠会社だった。当時、オリックス会長の宮内義彦と村上は意気投合し、オリックスは「器」と設立資金の出資まで支援した。それから七年。一時は株式市場で注目された村上ファンドの辿り着いた先が休眠会社とは、何とも皮肉な話だ。

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