深層レポート 日本の政治 (85)

「チーム安倍」の連続失策に詰め寄れない小沢民主の弱味

執筆者: 2007年2月号
タグ: 安倍晋三 日本
エリア: アジア

 日本のトップリーダーに就任して九十八日目。安倍晋三首相は二〇〇七年の元旦を、昭恵夫人とともに六本木ヒルズの一角にある高級ホテル「グランドハイアット東京」のスイートルームで迎えた。窓越しに見える富士山の美しさに首相はしばし目を奪われた。だが室内に視線を戻せば、テーブルの上に並べられた朝刊のセンセーショナルな見出しが、否が応でも目に飛び込んでくる。「松岡農水相秘書が照会 NPO審査『よろしく』内閣府に記録 大臣の会見と矛盾」。朝日新聞の一面トップは松岡利勝農林水産相のスキャンダル記事だった。出資法違反容疑で福岡県警の家宅捜索を受けた資産運用コンサルティング会社「エフ・エー・シー」の関連団体「WBEF」のNPO(非営利団体)法人申請をめぐり、松岡氏サイドがパーティー券購入の見返りに口利きしていたのではないかとの疑惑に関して、当時の内閣府の内部文書に「松岡事務所の秘書から当該団体の審査について、よろしくお願いしたい旨連絡」との記載があることが分かったという記事である。松岡氏は国会答弁や記者会見で「WBEFとのつながりは私も私の事務所も一切ない」と繰り返し関係を全面否定してきた。事実なら食言問題にもなる。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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