堕ちゆく世界の迷走
堕ちゆく世界の迷走(53)

「イスラム国」人質事件背景にある中東「若年層の突出」問題

 湯川遥菜さんの遺体とされる写真を掲げる後藤健二さんとみられる画像(一部画像処理してあります)(C)時事
湯川遥菜さんの遺体とされる写真を掲げる後藤健二さんとみられる画像(一部画像処理してあります)(C)時事

 年明けからフランス、ベルギーと続いた、イスラム過激派による連続テロ事件。日本も無縁ではないことがハッキリした。過激派組織「イスラム国」による、日本人2人の人質事件である。安倍晋三首相の中東訪問に照準を合わせた脅迫動画の公開。タイミングを良く心得た所業というほかない。

 恐怖を武器とした組織の誇示、ネットを使い世界のメディアを覆い尽くす情報空間の支配、中東問題に対する先進国世論の分断。野蛮なテロ組織は極めて狡猾であり、21世紀の「非対称紛争」で主導権をとるための悪知恵を、良く心得ているようにみえる。テロに屈しない闘いは、思いのほか難しい。

 

残虐行為の「費用対効果」

 パキスタンの学校を襲撃し、140人以上の犠牲者を出したテロ事件について、米紙『ウォールストリート・ジャーナル』(2014年12月18日・電子版)は、冷徹にメスを入れている。記事のタイトルは「残虐さを競い合うイスラム過激派 合理的な『費用対効果』分析」。パキスタン・タリバン運動(TTP)はイスラム過激組織だが、「イスラム国」の成功に刺激を受けたというのだ。

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