北が放棄しない核ミサイルに備える防衛体制を築け

執筆者:武貞秀士 2007年3月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 朝鮮半島 日本

 北朝鮮は昨年、テポドン2号を試験し、核実験を実施した。しかし北京での六カ国協議では対話ムードが拡がっている。このような時こそ、日本はミサイル攻撃を受けたときの防衛体制を論議すべきではないか。 北朝鮮の核兵器の能力と実験の事実関係は別として、軍事戦略と北東アジアの国際環境という観点からすると、日本がミサイルで攻撃される可能性はある。ノドンミサイルの射程は一千三百キロで、日本のほぼ全域が射程内に入る。さらに一九九八年八月、北はテポドン1号を、そして昨年、テポドン2号を発射した。 食糧や重油の支援を求めて緊張を増大させ、体制の維持、安全保障確保のために破壊力の大きなものを開発するのなら、在韓および在日米軍基地、ソウル市、東京、大阪を射程に入れれば十分のはずである。テポドンミサイル開発に拍車をかけるのは、米国本土を意識してのことであり、そこには、長期的な北の最終目標と関連した、より大きな「駆け引き」を意識した戦略が見え隠れする。 米国と戦争しても勝ち目のないことを、金正日は知っている。米国と戦わなくともよいシナリオは、米軍が撤退して、再度介入しない約束を取り付けることだ。北に米国東部に届くミサイルと核弾頭があれば、米国は軍事介入を思いとどまると計算しているのが金正日である。

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