米・イラン対立に悩みを深める穏健アラブ諸国

執筆者:柳沢亨之 2007年3月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東 北米

シーア派イランの台頭が何より恐いアラブ穏健派だが、アメリカに協力しすぎれば国内世論が恐い。そして関与は中途半端に――。[カイロ発]米国とイランの綱引きが中東で一層激化している。背景には、対立を止めるに止められない親米アラブ諸国の戸惑いがある。「イランの核兵器入手は認めない」――ブッシュ米大統領は一月二十三日の一般教書演説でイランの核開発を非難した。チェイニー副大統領も、米誌で空爆も排除しない姿勢を示した。イランの反応も激しい。最高指導者ハメネイ師は二月八日、「世界中にある侵略者の権益に包括的対応を示す」と述べ、米軍がイランを攻撃した場合、全面報復することを警告した。 両国の緊張は、アラブ各地で「代理戦争」の様相を一層強めている。イラクでは一月十一日、北部クルド人自治区アルビルのイラン公館を米軍が急襲し、イラン人五人を拘束。二月四日にはバグダッドでイラン外交官が拉致され、米国の影響下にあるとされるイラク情報機関の関与が指摘されている。米国はスンニ派武装勢力掃討を優先し、イランによるシーア派支援を長らく黙認してきただけに、衝撃は大きい。一月二十六日には、ブッシュ大統領はイラク国内のイラン人工作員の殺害を認める方針も発表している。

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