百五十万人の「民工」大移動 狙いは一石二鳥の「中部大建設」

2007年3月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

「百万人じゃない。正確には百五十万人が目標です」。中国政府筋は、二〇〇八年八月に北京オリンピックが開幕する直前の六月末までに、「北京市から他の地域に流出する」出稼ぎ労働者(民工)の人数を明言した。 昨年九月、北京市の「二〇〇八環境建設指揮部」は、五輪関連の建設で集まった民工について「雇用している企業と政府関連部門が協力し、帰省できる制度を整えなければならない」とし、物議を醸した。北京市としては五輪期間中の安全と安定を確保する「当然の策」だが、国内で「百万人の民工が首都から強制排除される」と報じられ、国際人権団体からの批判を呼んだ。当局は急遽、会見を開き「報道は誤っている」と釈明した。 同筋によると、五輪関連の建設が一段落する来年の年明け以降、「民工は新たな職を求め自ら移動し始める」手はず。党中央・国務院は、天津市の「浜海新区」など近隣地域に一部を差し向けるほかは、おもに湖南・湖北・安徽の三省を中心とした中部地区に誘導する考えだという。三省はそもそも民工を送り出した地域でもあり、民工の望郷の念を刺激しながら都市建設で蓄えたノウハウを伝える役割も期待する。国務院が軸となり、三省や河南など近接する各省から大規模プロジェクトの提案を募る一方で、海外の華僑にも「投資と技術移転を求める根回しを始めた」そうだ。

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