インテリジェンス・ナウ
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ゲイツ新国防長官をめぐる懸念は「情報より政治優先」の前歴

春名幹男
執筆者:春名幹男 2007年3月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 北米

 米国カンザス州ウィチタと言えば西部劇の舞台。あのワイアット・アープが保安官をしていた町として有名だ。 ロバート・ゲイツ新国防長官はその地で生まれ育った。だが彼は、西部の豪快な男たちとは対照的に、「細心の注意と野心」を秘め、ニクソン大統領以降、歴代六人の大統領に仕え、米中央情報局(CIA)分析官から長官にまで上り詰めた。 ブッシュ政権はイラクで泥沼に陥っている。解任されたラムズフェルド前国防長官に代わり昨年十二月に登場したゲイツ長官はブッシュ元大統領(父)人脈の人物。現大統領はいよいよタカ派のチェイニー副大統領の強硬路線を切り捨て、「現実路線」に向けて急カーブを切った――との観測さえあった。 現実路線の青写真をまとめたベーカー元国務長官ら「イラク研究グループ」のメンバーだったゲイツ氏。昨年五月、ワシントン・ポスト紙への寄稿記事で「国防総省が情報分野で支配的な状況は不愉快だ」と書いた。 ゲイツ氏は国防長官就任後、スティーブン・ケンボーン国防次官(情報担当)を辞めさせる人事を発表した。後任にはラムズフェルド前長官と対立したジェームズ・クラッパー前国家地球宇宙情報局(NGA)局長を充てるもようだ。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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