「あるある捏造」が早めるCMマネーの民放離れ

2007年3月号
カテゴリ: IT・メディア 金融

今のテレビ界を象徴するかのような出来事だった。スポンサーからソッポを向かれるのは、何も捏造番組ばかりではない。民放に危機が迫る。「千草クンには、国会に呼ばれることになるだろうけど頑張りなさい、と言って励ましておいた」。二月一日、懇談の席で記者に囲まれた日本テレビ放送網の氏家齊一郎取締役会議長は、そう明かしたという。「千草クン」とは関西テレビの千草宗一郎社長のこと。だが、不祥事のお詫び行脚で氏家氏のもとを訪れた千草氏には、国会招致よりも気がかりなことがあったはずだ。看板番組からのスポンサー降板である。 不祥事の舞台は、十年にわたりシリーズで健康や食の話題を紹介してきた関テレの人気番組『発掘!あるある大事典II』。発端は、納豆のダイエット効果を紹介しながら実際には実験を行なわずデータを捏造したというお粗末なものだが、過去の放送についても複数のデータ偽造が指摘された。 番組は「一社提供」。CM枠のすべてを花王が買い取っていた。その大口スポンサーが降板を決めた一月二十二日、番組の実質的な打ち切りは決まったといっていい。関テレは同時間の全国放送枠を系列局のフジテレビジョンに返上することになり、唯一持っていたゴールデンタイムの全国ネットの単独制作枠が消えた。関テレの二〇〇五年度の経常利益は六十一億円。三十億円ともいわれる同番組の広告収入は、文字通り経営の大きな柱だった。

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