日本が迷い込む常任理事国入りへの長い回り道

2007年3月号
カテゴリ: 外交・安全保障
エリア: 日本

国連分担金の引き下げを図ったのは、作戦的に失敗だったのではないか。このままでは、安保理の定位置をとることはできない。♪ティパラリーまでは長い道、可愛いあの子に会うためなら――さよならピカデリー♪ ニューヨークに駐在する日本政府国連代表部の大島賢三首席大使は、ほろ酔いになると大英帝国陸軍の行進歌を口ずさむ。ティパラリーとはアイルランド南西部の町の名前。第一次大戦中に大英帝国遠征軍内で流行した歌だという。主人公のアイルランド青年が故郷の恋人に思い焦がれる内容で、ちょっと教養のある英国人なら誰でも知っている。 大島大使のさらなる自慢は、その替え歌だ。ティパラリーを「常任理事国」に替えて、いかに日本が国連安全保障理事会の席を切望しているかを唸る。ピカデリーの代わりには「非常任理事国十カ国(E10)」。昨年末に日本の非常任理事国の任期が終了したことをもじっている。 国連安保理は、常任理事国五カ国(P5)と非常任理事国十カ国からなる。後者の任期は二年。毎年半数が改選され、二期連続では選出されない。日本は今年から、安保理協議はもちろん、会議場に隣接する協議室での非公式協議参加、決議案への投票権、決議案の共同提案や情報提供を通じた他国との関係強化など国連外交の中枢における足場を失った。

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