新たな保護主義? 日本企業も対応迫られる化学物質規制

2007年3月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ

 欧州連合(EU)が今年中に包括的な化学物質規制を施行する。「REACH(リーチ)」と呼ばれる新制度だ。自動車やパソコン、シャンプーなど化学物質を含む製品の製造業者や輸入業者に対し、安全性の評価やEUの専門機関への登録を義務付ける。対象となる化学物質が約三万種類と幅広いうえ、評価結果によっては製品の使用制限や使用禁止措置が取られる恐れがある。欧州市場に製品を出荷する日本企業にも大きな影響を与えそうだ。 リーチの最大の特徴は企業に化学物質の安全性の立証責任を負わせていること。日本では国が化学物質の有害性などを審査するが、EUは企業にリスク評価を行なわせ、それをEUの専門機関がチェックする。リスク評価には一物質あたり数千万円以上かかると言われ、企業のコスト負担は大幅に増える。 日本や米国、アジアの企業は保護主義的な規制だとしてEUを批判している。欧州市場に製品を出荷する日本企業は日本で調達した化学物質を使うことが多い。こうした企業は製品にどんな化学物質が使われているのか、取引先の化学メーカーが登録手続きを済ませているかなどを点検する必要に迫られる。 EUの専門機関への化学物質の登録申請がEU内の製造業者や輸入業者に限られているという問題もある。現地法人がない日本企業は輸入業者に手続きを頼むしかなく、リスク評価を嫌う輸入業者が取引先を欧州企業に替える可能性がある。

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