東南アジアの大河メコンをわがもの顔の中国

執筆者:鈴木真 2007年3月号
カテゴリ: 国際

メコン川の流域開発が進んでいる。気前よく資金を提供する中国だが、上流のダム計画など悪評も数多く……。[バンコク発]中国南部、雲南省の西双版納タイ族自治州の州都、景洪。ここを流れる瀾滄江(メコン川の中国名)に面した港の出入国管理事務所には、スローガンを大書した大きな航路図が掛かっている。「構築文明走廊 創建文明航道」 添えられた説明文には「黄金水道」「東洋のドナウ」などという言葉も並ぶ。メコン開発への中国の強い意気込みを物語る表現だ。 総延長約四千四百キロに及ぶメコン川は東南アジア最大の河川である。ベトナム、カンボジアなどインドシナで続いた戦乱のため、その利用は長い間、手つかずのままだった。しかし、戦火が収まった後の動きは急だ。大きな一歩となったのはアジア開発銀行(ADB)の提唱で一九九二年に始動した拡大メコン地域開発計画(GMS)である。日本などの援助国も巻き込んで流域の総合開発を目指す取り組みだ。 長い間、休眠状態が続いていたメコン川利用の計画立案・調整機関、メコン委員会(タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムの下流四カ国が加盟)も、九五年にメコン川委員会として活動を再開、流域全六カ国によるGMS首脳会議(三年に一度開催)も二〇〇二年から始まった。

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