「ネタニヤフ米議会演説」を巡り先鋭化する与野党対立

足立正彦
執筆者:足立正彦 2015年2月13日
エリア: 中東 北米

 ウクライナ情勢を巡るロシアとの関係悪化や過激派武装勢力「イスラム国(ISIL)」の台頭をはじめとして、現在、オバマ政権は非常に困難な外交案件を抱えている。そうした中、オバマ大統領が残り2年足らずの任期中に外交分野での「レガシー(業績)」作りとして積極的に取り組んでいる案件として、キューバとの国交正常化交渉とともに、イランとの核交渉を挙げることができる。

 

大統領は拒否権発動を明言

 核開発プログラムを巡るイランと「P5+1(国連安保理常任理事国の米英仏中露の5カ国と独)」との交渉は2013年11月に「暫定合意」に達したものの、これまで交渉期限が2度延長され、現在も交渉が継続されている。現在行われている交渉では今年3月24日までに「政治枠組み」に合意し、6月30日までに「包括合意」を締結する取り決めとなっている。

 こうした中、米議会では新たな展開があった。「包括合意」の期限までに合意に達しない場合、イランに対して新たな追加制裁を発動する内容の法案である「2015年イラン核兵器廃棄法(通称、カーク・メネンデス法案)」が、上院銀行・住宅・都市開発委員会(リチャード・シェルビー委員長)で1月29日に賛成多数で可決され、上院本会議での票決のために送付された。今後は、ミッチ・マコネル共和党上院院内総務(ケンタッキー州)の判断で、「包括合意」の期限前に上院本会議での票決を行うことができる。だが、この法案を共同提出した前上院外交委員長のロバート・メネンデス上院議員(民主党、ニュージャージー州選出)ら民主党上院議員10名は、「政治枠組み」の合意期限である3月24日まではオバマ政権の交渉を見守って票決は行うべきではなく、イラン政府が同期限までに合意しない場合にすぐさま可決すべき、との連名書簡をオバマ大統領宛に先般送付した。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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