胡錦濤「軍掌握」のキーパーソン 曹剛川国防相の来日

2007年4月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

「この人が、胡錦濤総書記(党中央軍事委員会主席)を支える最有力の長老になります。“太いパイプ”と信頼関係を築くチャンスですね」――中国軍の関係者は、九月にも来日する予定の曹剛川・党中央軍事委副主席兼国防相(政治局員)に注目すべしと語った。中国の公式報道は、同じ副主席ながら軍政(党の軍指導)担当の曹より軍令(作戦用兵)担当の郭伯雄・政治局員を上位で伝えるが、実は「高官限定の内部資料や通知は、序列を逆転させ、すべて曹を上位に置いている」からだ。軍権の完全掌握に向け、胡は「しばらく曹の後ろ盾を必要としている」という。 七十一歳の曹は、引退年齢規定に沿って今秋に開催予定の第十七回中国共産党大会を機に副主席・政治局員など党内の職務を退き、来春の全国人民代表大会では国防相も辞し、第一線から退く。だが曹は、二〇〇四年八月の党中央軍事委拡大会議で、引退を渋っていた江沢民前総書記(同委主席)に引導を渡し、「軍における胡時代をお膳立てした最大の功労者」だ。胡は、軍内に根強い江沢民派の影響力を削ぐため、曹の手腕を必要としている。 影響力を削ぎたい相手の筆頭が郭副主席なのはいうまでもない。郭は江沢民べったりでのし上がり、江引退後も講話では一貫して「江の軍建設の重要思想」に言及するなど、忠誠を尽くしている。だが、六十四歳の郭は癌を患い体調は万全でない。曹や胡周辺は「治療専念のため」郭を引退させる方向で軍内をまとめようとしているという。

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