病気を治すのは「いのちの力」
病気を治すのは「いのちの力」(14)

東大医学部教授はどう選ばれるのか

執筆者:髙本眞一 2015年2月28日
カテゴリ: 医療

 医学部の教授の選考方法は、大学によってそれぞれ違います。教授会で決めるところが多いようですが、臨時で作られた選考委員会で決められる、あるいは、私立大学では理事会で決めるところもあるそうです。さて、東大医学部の教授は、どのようにして決められるのでしょうか。

 東大医学部の教授選は公募ではありません。まず、学部長を含め関連科の教授からなる約6名程度の選考委員会が結成されます。次に、同委員会が、適当な年代の候補者を全国の大学から60~80人リストアップ。その時点では、選考は秘密裏に進められ、本人には何も知らされません。さらに、業績や評判を各委員が調査し、5、6名前後にまで絞ります。そこで、初めて本人に業績をまとめたペーパーを出すように事務局長が依頼します。しかし、この時点でもなお教授選のことは伏せたままです。

 私が胸部外科の教授に就任する際の教授選も、同様なプロセスがとられましたが、正直、なんの目的かをはっきり書かないまま、「期限までにペーパーを出せ」と命令口調で書いてあるのに対して、何を偉そうにと感じたことを記憶しています。おそらく、高圧的な姿勢は、東大の教授選にリストアップされたら、断る人間などいないだろうとの前提でのことなのでしょう(実際には断る人もいます。そういう人材はたいてい海外に流出してしまいます)。

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執筆者プロフィール
髙本眞一 1947年兵庫県宝塚市生れ、愛媛県松山市育ち。73年東京大学医学部医学科卒業。78年ハーバード大学医学部、マサチューセッツ総合病院外科研究員、80年埼玉医科大学第1外科講師、87年昭和病院心臓血管外科主任医長、93年国立循環器病センター第2病棟部長、97年東京大学医学部胸部外科教授、98年東京大学大学院医学系研究科心臓外科・呼吸器外科教授、2000年東京大学医学部教務委員長兼任(~2005年)、2009年より三井記念病院院長、東京大学名誉教授に就任し現在に至る。この間、日本胸部外科学会、日本心臓病学会、アジア心臓血管胸部外科学会各会長。アメリカ胸部外科医会(STS)理事、日本心臓血管外科学会理事長、東京都公安委員を歴任。 ↵手術中に超低温下で体部を灌流した酸素飽和度の高い静脈血を脳へ逆行性に自然循環させることで脳の虚血を防ぐ「髙本式逆行性脳灌流法」を開発、弓部大動脈瘤の手術の成功率を飛躍的に向上させたトップクラスの心臓血管外科医。
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