二年半後の稼動時にはすでに時代遅れになっているやもしれぬ新システム。「それより今、何とかしてほしい」の声をよそに、東証はなぜ――。「一秒、二秒、三秒……」。中国・上海市場の株価暴落が地球を一周し東京市場を襲った二月末。先を争って売り注文を出すトレーダーの目に、東京証券取引所の株売買システムの画面はスローモーションのように映っていた。 取引成立は先着優先だが、自分の注文がちゃんと成立したかを確認するまで次のアクションに移れない。買いそびれたとは知らず、手持ち株がないのに売りを出せば、カラ売り規制に引っ掛かる違法行為だ。証券ディーラーはこの間、画面を前に“フリーズ”するしかない。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン