処分を食らった三菱UFJの「内部不和」という不良債権

執筆者:村山敦 2007年4月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の誕生から一年。資産規模二百兆円に迫る世界最大の金融グループが迷走している。 その象徴が、二月十五日に金融庁が下した一部業務停止を含む重い行政処分だ。三菱東京UFJ銀行の淡路支社(旧三和銀の支店)が大阪市の財団法人「飛鳥会」の元理事長(元暴力団員)の横領事件に関与したにもかかわらず、経営責任の所在を明らかにせず行内処分も下さなかった点を咎められた。 第一報は一月二十七日に報じられたが、金融庁が実際に行政処分を下したのは三週間後。金融庁のある幹部は「実は、第一報が出た時点では、具体的な処分までは検討していなかった」と証言する。関係者の話をまとめると、金融庁は同行に対し、飛鳥会問題に対する内部処分などの遅れを再三注意していたようだ。だが、同行内部では、旧UFJ銀サイドから「淡路支社はとっくに閉鎖されている。今さら何を騒いでいるのか」との声が出ていた。また、経営統合後に飛鳥会問題の責任者を旧三菱銀の人間が務めていたことから、旧三菱サイドに「なぜ、旧UFJ銀の案件でこっちの人間も処分を受けなければならないのか」といった反発もあり、一年近くも行内処分に踏み切れずにいた。そこに、金融庁から「このままでは厳しい処分を取らざるを得ない」との通告があり、「金融庁が業務停止命令を検討しているとの話が行内で一気に広まった。これが結果的に報道に結びつき、金融庁もあとに引けなくなったようだ」(同行関係者)という。

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